緑内障は、目の中の圧力が上昇して、目の奥にある視神経を圧迫するため、見える範囲が狭くなったり視力が低下する病気です。

緑内障とは

緑内障は、何らかの原因で視神経が障害され視野(見える範囲)が狭くなる病気で、眼圧の上昇がその病因の一つといわれています。
目の中には血液のかわりとなって栄養などを運ぶ、房水とよばれる液体が流れています。房水は毛様体 でつくられシュレム管から排出されます。目の形状は、この房水の圧力によって保たれていて、これを眼圧といいます。眼圧は時間や季節によって多少変動しますが、ほぼ一定の値を保っています。

治療

緑内障の治療は病気の進行をくい止めるため、眼圧を低くコントロールすることが最も有効とされています。治療法としては薬物療法、レーザー治療や手術が一般的です。レーザー治療や手術を受け、眼圧が下降しても、その効果が維持されるとは限らず、再度手術を行う場合うもあります。

緑内障の種類

●原発開放隅角緑内障
房水の出口である線維柱帯が徐々に目詰まりし、眼圧が上昇します。 ゆっくりと病気が進行していく慢性の病気です。

●正常眼圧緑内障
眼圧が正常範囲(10~21mmHg)にも関わらず緑内障になる人がいます。これを正常眼圧緑内障と呼び、開放隅角緑内障に分類されます。近年行われた全国的な調査の結果から、緑内障の約6割が正常眼圧緑内障であり、また欧米にくらべて日本人に多いらしいことがわかりました。

●原発閉塞隅角緑内障
隅角が狭くなり、ふさがって房水の流れが妨げられ(線維柱帯がふさがれて)、眼圧が上昇します。慢性型と急性型があります。

●先天緑内障
生まれつき隅角が未発達であることからおこる緑内障です。

●続発緑内障
外傷、角膜の病気、網膜剥離、目の炎症など、他の目の疾患による眼圧上昇や、ステロイドホルモン剤などの薬剤による眼圧上昇によっておこる緑内障です。

原因と症状

一般的に緑内障では、自覚症状はほとんどなく、知らないうちに病気が進行していることが多くあります。視神経の障害はゆっくりとおこり、視野(見える範囲)も少しずつ狭くなっていくため、目に異常を感じることはありません。 急性の緑内障では急激に眼圧が上昇し目の痛みや頭痛、吐き気など激しい症状をおこします。時間が経つほど治りにくくなるので、このような急性閉塞隅角緑内障の発作がおきた場合はすぐに治療を行い、眼圧を下げる必要があります。

【早期発見・早期治療】
多くの場合、自覚症状がない緑内障に対して、最も重要なことは早期発見・早期治療です。一度障害された視神経をもとにもどす方法はなく、病気の進行をくい止めることが目標となります。
したがって出来るだけ早期に緑内障を発見し、治療を開始することが大切です。

日常生活で気を付けること

1)日常生活で特に気をつけることはありません。医師の指示を守り、健康的で無理のない規則正しい生活を心がけましょう。
2)ほとんどの緑内障は自覚症状がなく、病気の進行に気づかないことが多いので、定期的に眼科を受診しましょう。
3)治療のための薬は、回数・量を守って使用しましょう。
4)治療のための点眼薬や内服薬により副作用が現れることがあります。目に異常を感じたり、全身に何か変わった症状が出たときは、すぐに医師に相談しましょう。

毎日の点眼!定期的な受診!